【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて




「……これ、本当に全部食べていいんですか?」


夜、食卓に並ぶご馳走を前に、私は信じられない思いで目を瞬かせた。


食卓――と言っても、一般的な家庭のテーブルとはかけ離れた大理石の黒く大きなテーブルの上には、高級レストランのバイキングかと見紛うほどの何種類もの食事が並んでいる。

しかも一品一品のクオリティーが驚くほど高く、とてつもなくおいしそうだ。

こんな豪華な食事、見たことも食べたこともない。

今にもよだれが口の端からこぼてしまいそう。


朝食も豪華だったけど、夕食はさらに輪をかけて豪勢だ。

住宅兼仕事場になっているこのビルにはどうやら専属のシェフが在中していて、食事を管理してくれているみたい。


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