【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
それから背中を流し終えた私は、琥珀くんが立ち上がる前に、そそくさと退散しようと立ち上がる。
「じゃあ私はこれで……」
けれど、案の定それは許されなかった。
手を握られ、私の身体は動きを止める。
「なに言ってんだよ。ほら、湯船入るぞ」
「あ、ぇっ、もしかして一緒に……ですか?」
「当たり前だろ」
さも当然というように、さらりと言ってのける琥珀くん。
うう……。
なんとなくそんな気はしてたけど、やっぱりそうかぁ……。