【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
すると、琥珀くんが小さく首を傾げた。
そんな何気ない仕草さえ色っぽくて。
「つーか、なんでそんなこと聞くの?」
「琥珀くんのこと、なにも知らないなって……」
今日の昼間、環に琥珀くんのことを聞かれて、なにも答えられなかった。
あの時は漠然といつか知れればと思ってたけど、今は昼間よりもっと、琥珀くんのことを知りたいと思ってる。
「教えてください、琥珀くんのこと」
すると琥珀くんはわずかな間、瞬きもせずに私を見つめ、それからじんわり微笑んだ。
「いーよ。歳は20。誕生日は4月。猫派。好きな食べ物は──」