【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて


「……口開けて、莉羽ちゃん」


ぐわんぐわんと頭の中で琥珀くんの声が響く。


琥珀くんの言うことには従わなきゃ。

けれど私はキスについていくので精いっぱいで、その指示に答えることができなくて。


すると、琥珀くんの舌の先が私の唇を撫でた。

その刺激で反射的に口が開く――と、濡れた熱が口の中に入り込んできた。


口の中を犯していく感じたことのない熱に、私は思わず腰を引きそうになったけど、琥珀くんが腰に手を回して身動きを封じ込める。


「ん……は、ぁ……」


舌を絡めとられ、あまりの気持ちよさに甘い痺れが走り、身体がうずうずとなにかを求める。


いつも私を振り回してばかりなのに、キスだけは優しいなんてずるい。

いつまでもこの熱に支配されていたくなる。

< 72 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop