【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
絡め合って、吸われて、なぞられて。
角度を変えて、何回も何回も。
たっぷり口内で私を弄び、そして苦しくなる寸前で、唇がそっと名残惜しそうに離れていく。
深いキスにとろんと思考までとかされ、ぼうっと琥珀くんを見つめると、視界の中の琥珀くんがくすっと極上の笑みを浮かべた。
「気持ちいい? 舌が追いかけてくる」
「ぇ、あ……うう……」
そんなことをしてたなんて気づかなかった。
なんだか自分がはしたない女になったみたいで、急激に頬に火が灯る。
「キス、好き?」
微笑み小首を傾げる琥珀くんは、くらくらするほど色っぽくて。
そんなことないって言いたい。言いたい、のに。
甘く蠱惑的な声に、私は逆らうことができない。
琥珀くんは声だけで私を操ってしまうのだ。
導かれるまま、私はこくりと頷いていた。
「琥珀くんが気持ちよくしてくれる、から……好きです」