【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
Ⅳ.
「莉羽ちゃん、おはよ」
朝。寝室でパジャマから制服に着替えていると、まだ寝ていると思っていた琥珀くんがベッドの上であぐらをかいて、煙草を燻らせていた。
起きたばかりの琥珀くんは、いつもの隙のないオーラが少し緩んでる。
こんな無防備であどけない姿を見られるのは愛人の特権かな、なんてそんな浮ついたことを考えてしまう。
「おはようございます、琥珀くん」
「りうちゃん、」
甘えるような声音と共に腕を引かれ、私はすとんとベッドの上に逆戻り。
「どうしたんですか?」
「莉羽ちゃんに渡したいものがあるんだけど」
「え? 私に?」