【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて




その日は雨が降りそうな空だった。


いつもは学校まで送り迎えをしてもらっているけれど、今日だけはひとりで帰ることをお願いし、東郷さんから許可を得ていた。

今日は環の誕生日だからだ。


学校から近い喫茶店で、ささやかながら環の誕生日会をする。


「環、お誕生日おめでとう」

「わ! 莉羽てぃん、ありがと~!」


環に用意したプレゼントは、ブリザードフラワーだ。

環をイメージして、黄色い向日葵とカスミソウで花束を作ってもらった。

天真爛漫な明るさと、繊細な優しさを併せ持つ環に、とってもぴったり。

環の笑顔が見られてよかった。

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