【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて





「莉羽! 遅い! 酒のひとつも満足に出せないのか……!」


茶の間の方から、父と呼ぶべき人の怒声が聞こえてくる。


台所で洗い物をしていた私は、急いで声をあげる。


「はい、ただいま!」


学校が終わり、さっきまでクリーニング店でバイトをしていた私は、まだ夕食をとってもいない。


お父さんもお母さんも、家に帰った時にはもうお酒を飲んで酔っ払っていた。

家計が苦しいというのに、ふたりは働こうともせず、お酒やギャンブルにばかりお金を溶かしている。

だから私が掛け持ちでしている、クリーニング店と新聞配達のバイトが主な収入源だ。


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