【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて


弱くなりそうな心を奮い立たせ、黒堂を睨みつける。


「なんでこんなこと……」


黒堂は私という餌を捕まえ上機嫌なのか、べらべらと話し出す。


「楪に痛い目見せてやりたくて、ずっと機会を狙ってたんだ。あいつの大事なもん、傷つけてやりたいんだよ」


火がついたままの煙草を投げ捨て、黒堂が私に覆いかぶさってきた。

スプリングの固い感触と共に、ぎしと鈍い音が鳴る。


私の上で黒堂が煙草臭い汚い笑みを浮かべる。


「あんたはどんなふうに楪にご奉仕してるんだ? やってみろよ」

< 89 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop