君に恋した俺の負け。
組員は少し納得いかない様子だったけど、
お構い無しに出かける。
あの子が怖がらない様に仕事とは別に
ラフな格好で行く。
最寄りの駅まで行き
商業施設の中にある若い子向けの本屋が何店舗か入っている。
今の時間は17:45か…
予想通りならあの子は…本屋を終えてアニメだかなんだかのショップにいるはず…。
「…ぬぬぬ、くじ始まってる…」
ほらいた。
店舗前のくじのチラシをムスッとした顔で見ている。
可愛い…。
「今月は…お小遣いまで1週間…残ってますように!」
今度は祈り始めた。
見ていて飽きないあの子である。
「あ、1回ぐらいなら…いいかなぁ…」
今のくじは高いと聞くが大丈夫なのか?
あの子は決心した様に店に吸い込まれて行った。