年下双子の溺愛トリック
…ふんっ。どうせ、私なんか陽くんに全く相手にされてないもん。でも、ひーちゃん達にバレちゃうなんて、本当についてないな私…。

そんなことを考えながら、私は、心の中でソっとため息をこぼす。

すると。

「…姫奈ちゃん、元気だしなよ?陽兄が鈍感なのは今に始まったことじゃないし。それに、姫奈ちゃんが陽兄のこと好きなのなんて昔から僕も密も知ってるよ。だから今さら気にしないでいいから、ね?」

元気のない私に気づいたすーちゃんが、近くまで歩み寄ってそんな言葉をかけてくれた。

前半、優しい言葉をかけてくれたひーちゃんについつい絆されそうになった私だったが、後半部分を聞いて、目をパチパチとしばたたかせる。

「…ん?ちょっと待って?昔から知ってたって…どういうこと?」

「どうもこうも、俺も素直もずいぶん前から知ってたって。姫奈が陽兄のこと好きなことくらい。つか、普通にバレバレだもんな〜」

ニヤッと楽しそうに微笑みながらそんなことを言ってのけるひーちゃんに私の目は点になった。

「嘘…。私ってそんなにわかりやすかった…?」

2人の顔を交互に見つめると、すーちゃんもひーちゃんも大きく頷いていて。

恥ずかしさから思わずカーッと頬に熱が集まるのを感じる。
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