年下双子の溺愛トリック
協力…。

それはもちろん、実の弟であるすーちゃん達が、味方になってくれればこんなに心強いことはない。

ないけど…。

「ねぇ、2人とも何か企んでないよね…?だって、すーちゃん達が私と陽くんのこと応援した所で、なんのメリットもないでしょ?2人にメリットないのに、こんなに親切にしてくれるなんて…なんか怪しいもん」

正直、今までの経験上、2人を手放しに信用できない部分が多々あった。昔から、私が何度そのせいでひどい目にあってきたことか…。
特に中学時代の女性関係では、私を隠れ蓑にしたり、都合よく話を盛られたりして、ずいぶん迷惑を被ってきた。

だからこそ、2人の性格を考えると、自分たちにメリットがないと動くはずがないと断言できるのだ。

そう考えた私が訝しげにジッと2人を見つていると。

「…っ。姫奈ちゃん、ひどいよ…。僕ら本気で姫奈ちゃんのこと応援してるのに。ねぇ、密」

「あぁ…。なんかちょっと傷ついたわ」

小さく顔を伏せ、傷ついた表情を浮かべる2人に私はチクンと胸がいたむ。

ハッ…!騙されたらだめよ姫奈!
この表情で、私が今までどれだけ2人にハメられてきたか。
…ッ!気持ちをしっかり持たないと。

と、自分を奮い立たせるものの、まるで捨てられた子犬のようにしゅんとしている彼らを見ると、罪悪感が募っていく。
< 15 / 56 >

この作品をシェア

pagetop