年下双子の溺愛トリック
「気にしないで。姫奈ちゃん、僕らの今までの行動がよくなかったんだし」
「……ちょろすぎ」
「…え?ひーちゃん何か言った…??」
爽やかな笑顔を浮かべ、私に優しい言葉をかけてくれるすーちゃん。そして、その言葉にかぶせるように、ポツリと何か呟いたひーちゃんの声がうまく聞き取れず私は、コテンと首を傾げる。
「…ん?なにも言ってないけど?つか、姫奈、明日土曜日で学校休みだろ?たしか陽兄は、クラスマッチの練習で学校行くみたいで明日いないんだ。だから、せっかくだし集まって作戦会議しようぜ」
作戦会議…?
思わぬ提案に私はキョトンとした表情を浮かべてしまった。
「いいじゃん。僕も密に賛成…!じゃあ、明日姫奈ちゃんの家に昼頃集合でどう?」
え、うちの家…?
「だな。じゃ、姫奈そういうことで。決定な」
あれよあれよという間に決められた集合場所と時間に私はアワアワと内心慌てふためく。
いやいや、急にうちの家だなんて困るよ…!!
最近、片付け全然できてないのに。
「ちょっ…、ひーちゃん、すーちゃん…」
「「じゃ、また明日な(ね)」」
私の声かけをサラリと流し、笑顔で自分の家に入っていく2人の後ろ姿を私は、ただただ見つめることしかできなかったのだったー…。