年下双子の溺愛トリック
「姫奈のお母さん、いつも優しいよな」
「だね。料理も美味しいし、姫奈ちゃんこれからもたまに食べに来ていい?」
「いいんじゃないかな〜…。2人が来るとお母さん喜ぶし」
適当に相づちを打ちつつ、オムライスを口にはこぶ私。
ひーちゃんとすーちゃんは、すでに食べ終わってしまったようでお皿の中は空になっている。
「おかわりいる?」
「あ、僕は大丈夫。最初から結構大盛りにしてもらってたから、密はどうする?」
「俺ももう大丈夫。ほら。素直、皿かせよ。食べたやつ洗うから」
サッと立ち上がり、ひーちゃんは、すーちゃんから空のお皿を受け取ると台所の洗い場へと足を進めた。
へぇ〜…。こういうところは、相変わらずひーちゃんがお兄ちゃんだなぁ。
物腰の柔らかいすーちゃんのほうがしっかりしているように見えるけど、実は昔から、率先して雑用とかするのは兄のひーちゃんの方なんだよね。
クスッと小さく笑みを浮かべた私に気づいたのか「姫奈、何笑ってんの?」と訝しげに見つめている。
そんな彼を見て「なんでもないよ〜」と答えた私は再度オムライスを口に運んだのだった。