年下双子の溺愛トリック
「ね?姫奈ちゃん」と爽やかに微笑んでくれるすーちゃんに私はコクコクと頷いていてみせた。
優しいすーちゃんの言葉がジンと胸に染みわたり、私もなんだかやれる気がしてくる。
「まぁ、今の服装考えたら大人清楚はまずムリだろうな。可愛い系からも若干ズレてるし」
しかし、ひーちゃんからの心無いひと言で私はプクッと頬を膨らませた。
もうっ、どうしてひーちゃんは昔から意地悪なことばっかり言うんだろう?
たしかに私が今日着ているのは、白パーカーにジーパンというシンプルで動きやすさ重視の服装だけどさ…。
「今日は別にどこに行く予定もなかったし…!私だって探せば可愛い服の1着や2着くらい…」
「あるんだからね…!」と言いかけて、クローゼットを開けた私は口をつぐんでしまう。
開けてみたはいいものの、ジーパンやらTシャツ、シンプルなワンピースなどラフな服しか入っていなくて…。
私って、可愛い服も大人っぽい服も全然ないじゃんね…。
「……」
そう再認識しただけで、なにも言わずにソっとクローゼットを閉めてしまったのだ。
「なかったんだろ?」
「……はい」
「やっぱりな」と言ったひーちゃんからの視線をヒシヒシと感じ、肩を落としてカーペットに座り込んだ私に向かって。
「えっと。姫奈ちゃん。じゃあ、せっかくだし僕と買い物行こうよ?僕、服選ぶの得意だよ」
すーちゃんが優しくそんな提案をしてくれる。