年下双子の溺愛トリック
「すーちゃん…!いいの!?」
「もちろんだよ。せっかくなら僕も姫奈ちゃんと買い物行きたいし」
ニコッと微笑んだすーちゃんに私はキラキラと瞳を輝かせた。
本当になんて良い子なんだろう。
しかも私と買い物に行きたいだなんて、そんな可愛い笑顔で言われたらお姉さん、胸キュンしちゃうよ。
「姫奈ちゃんは、きっと水色系とか似合うと思うんだ」
「え〜?そうかぁ。じゃあ、早速準備して…」
2人の間に和気あいあいとした雰囲気が流れ始めた時だった。
「…俺も行く」
私達の様子を伺っていたひーちゃんが、ぶっきらぼうにそうつぶやく。
「へぇ〜…。密、さっきから姫奈ちゃんにヒドいことばっか言ってるけど一緒に来るんだ〜」
すーちゃんにからかわれ、嫌そうに眉をひそめたひーちゃんだったが、くるっと私に向き直り。
「姫奈、俺も行っていい?」
「…ッ」
コテンと首を傾げ、そんなことを言うものだから私は戸惑ってしまう。
「…ダメ?」
捨てられた子犬のような瞳で私を見つめるひーちゃん。
そんな彼の姿を見ると「…わかったよ。ひーちゃんも一緒に行こう」と私は言わざるを得なかった。
昔から私ってひーちゃん、すーちゃんにおねだりされると弱いんだよなぁ…。
ひとりっ子の私にとって、彼らは本当に可愛い弟みたいな存在で。
だからこそ、小さい頃からダメだと思いつつ、ついつい甘やかしてしまうふしがよくあった。