年下双子の溺愛トリック

「ほら、姫奈は良いってさ」

フッと勝ち誇ったようなひーちゃんに対して。

「はいはい。僕は姫奈ちゃんが良いなら問題ないから」

すーちゃんは呆れたような視線を投げかけている。

私もそんな2人に苦笑いを浮かべながらも、「じゃあ、時間なくなるし、そろそろ行こうか」と声をかけたのだった。





「ん〜?これは?」

「「ダメ」」

もう。こういう時は仲良いんだからなぁ…。

私は自分で選んだ服をソっと元あった場所に戻しながら、心の中でため息をこぼす。

現在、時刻は14時。
私とひーちゃん、すーちゃんの3人は、駅近くにあるショッピングモールにやって来ていた。

このショッピングモールは、地元で1番大きな商業施設で、映画館やゲームセンター等も併設されている。

そのため、私達学生にとっては、とりあえずここに来れば何でもあるからという理由で、よく訪れる場所となっていた。

もちろん、大きなショッピングモールだから、学生に人気の手頃なブランドショップも多く点在していて、私もよく買い物に来るのだが…。

「じゃあ、こっちは…?」

「「…ダメ」」

かれこれ30分ほど、私が選ぶ服を次々に却下していく2人にさすがの私も疲れがで始めていた。
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