年下双子の溺愛トリック
2人が話していたことはやっぱり、当たってるのかも。
結木先輩と長松先輩を見て、私は改めてそう思った。
すると。
「ねぇ、せっかくだし姫奈ちゃん達も一緒に遊ばない?」
「茉梨花ナイスアイデア…!弟くん達とも話してみたいし陽達もいいよね?」
まさかの先輩からの提案に私は目を見開く。
ど、どうしよう。
よりにもよって、私、パーカーにジーパンで来ちゃったし…。可愛い先輩達の隣歩くの気が引けるな…。
すぐ帰るだろうと思っていたから結局、そのままの格好で出てきちゃった私。
心の中では「行きづらいよね…」と思ってはいるものの、先輩からの誘いを無下にもできなくて。
そんな私に気づいてくれたのか。
「わり。陽兄、俺たち姫奈のおばさんにおつかい頼まれててさ。買い物済んだらすぐ帰るように言われてんだよね。だから、今日は行けないや。皆さんもすみません…。また、誘ってください」
そう切り出したのは、ひーちゃんだった。
さらに続けざま。
「姫奈ちゃん、そろそろ行かないとおばさん待ってるよ?」
と、すーちゃんの援護がはいる。
「え〜…。そっかぁ、それならしょうがないね」
「弟くん達もまた遊ぼうね〜。姫奈ちゃんもまた今度ね」
残念そうな結木先輩と長松先輩とは対照的に、私は内心ホッと胸を撫で下ろしていた。
「は、はい!ぜひ…。それじゃ、しつれいします」
笑顔で私とひーちゃん、すーちゃんに手を振ってくれる結木先輩と長松先輩。
良い人なんだろうなということが伝わってくるため、若干嘘をついたことに申し訳無さを覚えてしまう。
「姫奈ちゃん、またな」
「密、素直。母さんに夕方までには帰るって伝えといて」