年下双子の溺愛トリック

しゅんと肩を落とす奈々生ちゃんに私はブンブンと大きく首を横に振る。

「違うよ…!そもそも陽くんに女子として意識されてないのは私もわかってたことだもん。でも、奈々生ちゃんが色々背中を押してくれたから言えたんだよ?奈々生ちゃんがいなかったら、私今でもずーっと、ウジウジして告白なんてできてなかったと思うし。だから気にしないで?」

「姫奈…。あんたって子は…もう!大好き〜。頑張ったね」

ギュッと私を抱きしめて、優しく背中をさする奈々生ちゃんを「私も大好き〜」と抱きしめ返した。

でも、それにしても…。

「ねぇ、前から気になってたんだけど…。奈々生ちゃんって、何でそんなにひーちゃん達のこと嫌いなの?」

パッと身体をはなし、問いかける私に奈々生ちゃんはギクリとした表情を浮かべる。

「別に嫌いとかじゃないけど…」

「けど…?」

「…っ。とにかく、私は姫奈と陽先輩がお似合いだな〜って思ってるのよ。だからさ、ほら。兄弟に協力してもらうっていうのも…ね?なんか、近すぎて逆にやりにくいんじゃないかな〜…とか思ったり?」

あははと笑ってはいるものの、なんだか目が泳いでいる奈々生ちゃんに私は小さく首をかしげた。

奈々生ちゃんとひーちゃん達って、たしか奈々生ちゃんが家に遊びに来た時に1回会ったことあるくらいだよね…?
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