年下双子の溺愛トリック
ーーバンッ。シュッ。
ハァハァ…。どうしよう、全然入らないんだけど…。
私が投げたボールは、きれいな弧を描き…ゴールに入る前の地面へと落下した。
コロコロと転がっていくボールを追いかけ、私は大きなため息をこぼす。
放課後になり、私は急いて自宅に帰ると動きやすい服装に着替え、公園へとやってきていた。
「私も練習手伝おうか…?」
と心配する奈々生ちゃんに対して。
「大丈夫…!奈々生ちゃんも自分の出る競技の練習するんでしょ?なんとかなるよ!とりあえずゴールの下にいて良いって皆からも言われたし」
なんて言ったことを早くも後悔し始めていた。
ゴール下にいるってことは、私とりあえずゴールにいれるくらいはしないとだめだよね!
そう思い、ゴールのに向かってシュートの練習を初めて数十分。ひたすら投げているのに1回もゴールにかすりもしないことに焦りを覚える。
まずもってゴールに届いてないし…。
投げ方なんかコツとかあるのかな?
試行錯誤はしてみたものの、全く上達しない自分に肩を落とした。
いやいや、本番は明日なんだからとりあえずゴールに入るようにならないと話にならないよね!頑張らないと。
そう思って、思い切りボールを投げのだが、やはりゴールにはかすりもせずに地面へと落下する。