年下双子の溺愛トリック
「そ、そういえばそうだったかも…。とりあえず、学校はサボってないってわかって安心したけど…。２人ともせっかくの休みなのになんでここに…？」

「「それは…」」

言いにくそうに口ごもる彼らの様子を見て、私が首をかしげた時。

「おー！いたいた。姫奈、密、素直！」

「陽くん…！？」

大きく手を振ってやってきたのは、満面の笑みの陽くん。

そして、恥ずかしそうに陽くんの隣に佇んでいるのは見たことのない女の先輩。

え、誰…？？

先日、ショッピングモールで会った結木先輩でも長松先輩でもない。彼女達とはまたタイプが違っていて。サラッとした綺麗な黒髪を２つにくくり、メガネをかけた優しそうな女の人だ。

しかも私と視線が合うと、ニコッと可愛らしく微笑みかけてくれる。

「あ。紹介するな。今日から付き合うことになった、浪川明日香さん。実は俺、クラスマッチの時に告白しようって決めててさ」

…え？彼女…？

衝撃的な事実に、私は開いた口が塞がらない。

「えっと。はじめまして…。道枝くんと同じクラスの浪川明日香です」

ちょっとオドオドして、恥ずかしそうにしつつも、おっとりとした口調で自己紹介をしてくれた浪川先輩。
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