年下双子の溺愛トリック
「ねぇ…!ひーちゃん達、知ってたの?陽くんに好きな人がいて、今日告白するってこと」
それなら、さっきまで言いづらそうにしていた様子も、今日、陽くんのジャージまで借りて、わざわざ高校まで来てくれたことも辻褄が合う。
たぶん、2人とも私のこと心配して来てくれたんだよね?
「「……」」
反論もせずに黙ってしまった2人に私は小さく微笑みかける。
なんとなく、いつかはこんな日が来るんじゃないかって心の何処かではわかっていた。
もちろん、悲しくないといえば嘘になるし、まだ全然ふっ切れてなんかいないけど…。
「心配してくれてありがとう。でも、陽くんが好きになった人だもん。私もね、好きな人が幸せならそれでもいいのかなって思うし…。それに、浪川先輩、すっごく良い人そうだったから私も仲良くなりたいなって思っちゃった」
それにさっきの2人の幸せそうな顔を見てたら、私じゃダメだなって思っちゃったんだもん。
「あ…!でも、2人が言ってた陽くんの好きなタイプちょっと違ったよね?浪川先輩、清楚系だけど大人っぽいはちょっと違うし。可愛い系というよりは、綺麗系じゃない?」
「2人ともなんだかんだ言いつつ、陽くんの好みわかってなかったんだ〜」とニヤニヤしながらからかう私に向かって。
「バーカ。あれは、自分の好きなタイプ言ったんだよ」
と言い放ったすーちゃんの言葉に私は面食らってしまった。
「可愛い系」「大人清楚系」
まさか、2人の好みのタイプだとは予想もしていなくて目をパチパチとしばたたかせる私。