年下双子の溺愛トリック
こんな所で陽くんとバッタリ出くわすなんて、ラッキー!
先ほどまでの憂うつな気分が嘘のように私は、満面の笑みで陽くんのもとへ駆け寄る。
「陽くんこそ、1人なの珍しいね!クラスマッチの練習はいいの?」
「今日は、昼休みも練習したから、放課後は早めに解散したんだよ」
ニコッと、爽やかに微笑む陽くんに思わずキュンとしてしまう私。
「そっか〜、陽くん練習頑張ってるもんね」
「姫奈こそ、練習いいのか?」
「陽くん…。私が運動オンチなの知ってるでしょ…?練習参加するだけで足手まといだよ。それにどうせ補欠だし」
「まぁ、姫奈の運動オンチ、絶望的だもんな…」
コクコクと首を縦にふる彼に向かって「どうせ、運動ダメダメですよーだ」と、私は頬を膨らませ、反論した。
「ハハッ。冗談だって、真に受けんなよ〜」
ドキン。
そう言って、私の膨らませた頬を指でつつく陽くんに、ドキドキと胸が高鳴る。
陽くんって、昔からスキンシップ激しいんだよな〜…。
彼からしたら、妹をからかってるくらいの感じなんだろうけど、陽くんを好きな私からしたら、ただただ心臓に悪い。
その後は、陽くんと他愛のない会話をしながら一緒に自宅へと続く帰り道を歩いていた。