年下双子の溺愛トリック
「やっぱり姫奈と話すと和むな」
「えへへ。そうかなぁ」
陽くんに褒められ、つい照れてしまう私。
その時ふいに。
あれ…?
もしかして、私、今告白するチャンスなんじゃ。
と、言う考えが浮かんでくる。
だって、2人きりの帰り道なんて絶好の告白シチュエーション。よく、少女漫画でヒロインがヒーローに告白することも多い場面だ。
『姫奈、時期とか言ってると、どこぞの可愛い女子にかっさらわれるよ〜。陽先輩って結構モテるみたいだし』
『でもさ、告白すればもしかしたら女子として見てくれるかもじゃん?姫奈だって、ずっとこの関係でいいって思ってないだろうし』
「……」
奈々生ちゃんが私に向かって言い放った言葉を思い出して、不安にかられてしまう。
私、小学生の頃から陽くんが好きなのに。
高校生になった今も、彼との関係は当時からちっとも変わってない…。
本当にこのままで…何もしなくていいのかな?
「じゃあ、またな。お互いクラスマッチ頑張ろうぜ」
1人で悶々と考え込んでいるうちに、いつの間にかお互いの家の前に着いていた。
ダメだ…。やっぱり私、何も言わずに後悔したくない…!
そう思った私は、最後に「また明日な」と声をかけ、くるりと踵を返した陽くんの後ろ姿を見て、思わず。
「あ、あの…!陽くんっ」
と、彼を引き止める。