年下双子の溺愛トリック
「ん?姫奈、どうかしたか?」
「えっと、その…」
勢いで引き止めたまでは良かったが、結局、なんと言えばいいのかわからなくて言葉に詰まってしまう私。
「姫奈…?」
そんな私を陽くんは、不思議そうに見つめていた。
落ち着いて、姫奈。
素直に今の気持ちを伝えればいいのよ…!
そう思い立ち、私は意を決して口を開くと。
「陽くん、私…あの、陽くんのこと好きだよ」
い、言った…!
ギュッと自分の手を握りしめ、彼に向かってそう言い放った。
「…っ」
「……」
ドキドキと高鳴る心臓の鼓動。
陽くんからの返答を待つ間、私は緊張から彼の顔を見れなくて、ソっと顔を伏せる。
陽くん、急に告白してどう思ったかな?
ビックリしてる…?それとも…。
その時だった。
「…オレも姫奈のこと好きだよ」
ドキン。
彼の口から出た言葉を聞いて私は、ゆっくりと伏せていた顔をあげる。
今の聞き間違いじゃないよね…?
陽くんも私のこと好きって…!
ようやく思いが通じたことの嬉しさからパァッと表情を明るくし、彼に駆け寄ろうとした瞬間。
「つか、今さら何言ってんだよ〜。大事な幼なじみなんだから嫌いになるわけないって」
…へ?
ケラケラと悪気なく笑う陽くんの言葉に私は目が点になる。
えっと、もしかして今の告白、陽くんにちゃんと伝わってない?
「もう姫奈とは家族みたいなもんだしさ」
「あ、はは。そ、そうだよね〜。ありがとう、嬉しいなぁ…」