最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
さっきまでバドミントンをしていた女性社員たちはいつの間にかいなくなっていて、ふたりだけになっていた。

「これ……」
「うん、ありがとう」

杏奈は紙袋を受け取り、中身を見ることなく再びトイレに向かった。
個室にしっかりと鍵をかけてから中身を取り出す。

細長い形状のそれに心臓がドクンッと跳ねる。
まさか自分が結婚前にこれを使うことになるなんて。

しかも相手はすでに別れた男だ。
「どうか、大丈夫でありますように」

声に出して願掛けし、検査キットと使用する。

結果が出るまで少し時間がかかるから個室から出ると、そこで飯田が待っていた。

「ごめん。見られたくないかもしれないけど、私にも確認させて」
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