最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
☆☆☆

夕方の喫茶店はまだ人の姿が少なくて、話をするのも抵抗が少なかった。

「それで、その男は?」
「もう別れた」

「それでも連絡取らないとダメだろ」
稔の言葉に杏奈は左右に首を振った。

晃司と別れて数時間後にはすでにブロックされていた。
電話もメッセージも通じない状態だ。

あれから更に三ヶ月も立っているから、もしかしたら新しい彼女ができているかもしれない。

晃司はそういう男だ。
稔が大きなため息を吐き出して両手で顔を覆った。

呆れて物も言えなくなってしまったのかもしれない。

幼馴染に、それも好きだった相手にこんな姿を見せることになるなんて本当に最低だ。

「私なら大丈夫だから、安心して?」
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