最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
赤ちゃんはまだまだ小さくて、その存在がわかったばかりなのだから。

子供が嫌いなわけではない。
むしろ好きな方だと思う。

だけどそれとこれとはきっと根本的に違うことになる。
第一、子供を生むと決めたあと両親や会社にどう説明をすればいいだろう?

考えただけで鬱々とした気持ちになってくる。

それからすぐに堕胎という単語が脳裏に浮かんできて背筋が凍りつくほどの恐怖を感じた。

自分の体を両手で抱きしめてブルブルと左右に首を振る。
まさか自分がこんなことを考える日が来るなんて思ってもいなかった。

だけど今はその堕胎という恐ろしいことが目の前にあるといってもいい。
産むか、堕ろすか、その二択しかないのだから。

「堕ろすとしたら、会社には内緒にできる」
< 25 / 86 >

この作品をシェア

pagetop