最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
☆☆☆

寝不足のせいかその日の夜はしっかりと睡眠をとることができて、翌朝には目の腫れも随分マシになっていた。

「よし、これなら大丈夫」

コンシーラーで目元を明るくして鏡の前に立つと、そこには普段と変わらない自分がいた。

まだ満面の笑みを作ることは難しいけれど、大騒ぎするタイプじゃないからみんな不審に感じることもないはずだ。

そうして出社してみれば案の定誰も杏奈のことなど気にせずに仕事に集中していた。

ただ1人、同期の飯田を覗いては。
「それで、どうだったの?」

昼休憩時間、近くの喫茶店にやってきて飯田がそう質問してきた。
杏奈は一口飲んだだけのレモネードへ視線を落としてため息をつく。
< 31 / 86 >

この作品をシェア

pagetop