最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
晃司のような人間は自分にとって都合のいい人間を、常にそばに置いておくものだと思っていたから。

つまり、自分は都合のいい人間にはなれなかった。
ということなのかもしれない。

「なに? なにか文句あるわけ?」
なにも言わずに立ち尽くす杏奈へ向けて、有無も言わさない威圧的な言葉が投げられる。

杏奈はすでに条件反射のようにうつむいて「なにも、ないです」と、蚊の鳴くような声で返事をしたのだった。
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