最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
十ヶ月後
互いの両親に挨拶を済ませ、挙式を終えてから更に数ヶ月が経過していた。
杏奈は臨月へ入り、仕事も産休に入っていた。

「今日はいい天気だな」
稔が休日の今日は二人で買い物へ出かけてきた。

食品だけを買って帰ろうと思っていても、つい子供用品に目が向いてしまう。
可愛い服やおもちゃがあると、つい手を出してしまう。

日に日に大きくなっていくお腹の中の子供のことを考えると、愛おしくて仕方ない。
だからすっかり忘れていたのだ。

今がとても幸せだから、子供には別に父親がいるということを……。
「杏奈?」

デパートの通路で声をかけられて視線を向けると、そこには晃司が立っていた。
バンドは解散したはずだけれど相変わらず派手で、目立つ格好をしている。

杏奈は晃司の姿を見た瞬間硬直して動けなくなってしまっていた。
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