最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
突然の出来事に稔も驚いてなにも言えずにいる。

「俺、あの時杏奈にひどいこと言ったよな。だけど考えればわかったはずなんだ。杏奈のお腹の子供は俺の子だって」

その言葉に全身から冷や汗が流れ出した。
そんな話奈美には聞かせられない。

杏奈が片手で奈美の耳を塞ぐと「なみちゃんきこえなぁい」と、不満が漏れた。

「なみちゃんか。可愛い名前だな」
顔を上げた晃司の目には涙が滲んでいる。

それは初めてみる晃司の涙だった。

付き合っていた頃には絶対に見せることのなかったもので、杏奈はたじろいだ。

「俺今工場で仕事をしてるんだ。ちゃんとした稼ぎもある。だから頼む! 俺にもなみを育てさせてくれないか!?」
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