最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
呼び出す
晃司が杏奈に渡してきたのは電話番号が書かれたメモ用紙だった。

別れたときには自分から杏奈をブロックしたくせにと、その紙切れを見てまた腹がたった。

「おかあさん、どうしたのぉ?」

紙切れを見て眉間にシワを寄せていると、奈美が近づいてきて杏奈の眉間に小さな指先で触れてきた。

こんなに小さいのに母親の異変に気がついているのだ。
「大丈夫。なんでもないよ」

杏奈は返事をして奈美の体を抱き上げた。
奈美はそれだけで嬉しそうにキャッキャと笑う。

奈美を出産してから少し広めのアパートへ引っ越してきたことは正解だった。
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