最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
たった4ヶ月という交際期間だったけれど、その中で杏奈は数え切れないくらいの罵倒を受けた。

危うくそれが日常化してしまうところだったのだ。

晃司の怒号が聞こえてこない日常に戻ってきたことで、それがどれだけ異様な毎日だったのかを思い知らされている。

「それならいいの。ごめんね、私が紹介なんてしたから」
「そんなことないよ。晃司を好きになったのも、付き合い始めたのも、私なんだし」

飯田はそれでも申し訳無さそうな顔をしているので、杏奈は自分のお弁当箱からウインナーをひとつつまんで、その口に入れた。

「そういえば全然食べてないね。どうかしたの?」
モゴモゴとウインナーを粗食しながら飯田が聞く。

「そんなことないよ」
と、箸でおかずをつまんで口に運ぶのだけれど、なんとなく食欲がない。
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