最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。

断る

杏奈が指定したファミレスへ行くと晃司はすでに到着して、水を飲んでいた。

「杏奈……！」
入り口から入ってきた杏奈の姿をすぐに見つけて表情が輝く。

が、すぐに隣に立つ稔に気がついて神妙な顔つきへ変わった。
「連絡ありがとう。俺、ずっと待ってたんだ」

4人席で杏奈の隣に稔が、そして杏奈の前に晃司が座る形になった。
稔は晃司を見たときから居心地が悪そうに視線をそむけている。

稔の中には晃司が実の父親であるという気持ちが大きく存在しているのかもしれない。

「晃司、今日連絡したのはね」
「なみはいないのか？　俺の娘なんだよな？　この男じゃなくて」

杏奈の言葉を遮って晃司が言う。
この男というところで稔を真正面から見据えた。