最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
「私は晃司のところへは戻らない。だからもう二度と私たちの前に現れないでほしいの。今日言いたかったことはそれだよ」

キッパリと言い切る杏奈に晃司が愕然とした表情を浮かべる。
隣の稔も驚いているのが伝わってきた。

だけどこれはもう決めたことなのだ。
今の幸せは奈美の実の父親にだって崩させはしないと。

「なに言ってんだお前!? 奈美の父親は俺だっつってんだろ!? こんな赤の他人に子育てなんてできるかよ!」

杏奈に否定されたことに激高し、その場に立ち上がる晃司。
その怒鳴り方は付き合っていた当時と同じで、杏奈は反射的に身を縮めていた。

「お前、ちょっとこいつと結婚したからって俺のこと見下してんだろ! こいつとふたりで俺のことをバカにしてんだろ!」
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