双子の義理兄はアイドル。〜君と秘密の溺愛ストーリー〜
「そんなわけで俺たちが一緒に住んでることと義理の兄弟ということはみんなに内緒にしてくれ。学校側は知ってるけどなるべく他の人には知られないようにな」
「わ、わかった……」
驚きのあまり口を開けたまま固まっていたら皇輝くんに言われてしまった。
みんなには内緒って……。
その方がいいということはよくわかるんだけどなんだか胸の当たりがチクッと痛む。
「ほら、そろそろ行かないと遅刻するわよ。忘れ物ない?後でお母さんたちも行くからね」
そうこうしているうちに出かける時間になり、慌てて荷物を持つ。
お母さんに促され、私はローファーに足を突っ込む。2人はもう少ししてから行くって言っていた。
だから初登校は1人。
少し寂しいと思いながらも、私は新しい学校に向かって歩き出した。
「いってきまーす!」
ガチャ、とドアを開けると柔らかい風がふわっと私の前を通り過ぎる。