双子の義理兄はアイドル。〜君と秘密の溺愛ストーリー〜
ちょ、ちょちょ……!
こ、これは……!密着しすぎでは!?
「ひ、大輝くん……」
「しっ。いい子だから静かにね」
ドキンドキンと心臓が騒がしく鳴り響く。廊下の足音が聞こえるまでお互い黙り込んで。
2人の息づかいと密着した肌からは彼の温もりを感じた。
ど、どうしよう!もう心臓が持ちそうにない……!
「もう大丈夫かな?紬ちゃん……」
「へぁ?は、はい!」
「……その表情はアウトだろ……」
「へ!?」
ゆっくりと大輝くんは離れていく。
そして、何故か私の顔を見て目線をそらされてしまった。何かわけのわからないこともつぶやいてるし……。
だけど私はそれどころじゃなかった。
自分の顔の熱を覚ますことで精一杯で。
ア、アイドルって色んな意味で心臓に悪いよ!
「まぁいいや。とりあえず行こうか。母さんたち待ってる」
「う、うん」
私は、高鳴る心臓を押さえ込みながらゆっくりと学校の中を歩き始めた。