双子の義理兄はアイドル。〜君と秘密の溺愛ストーリー〜
別に聞かれても恥ずかしい独り言ではない。
なのに、なんだか無性に恥ずかしくて。
皇輝くんと目を合わせることができない。
「さぁ?紬ちゃん、独り言言ってたの?俺は聞こえなかったなぁ?」
「う、嘘っ!それ、絶対聞いてたやつじゃん!」
ドキンドキン、と心臓が騒がしくなる。
皇輝くんはサングラスを取りながら、ジリジリと私に詰め寄ってきた。
え、えっ。
なんでこっち来るの!?
「……で?何がすごいって?本物がここにいるのに、テレビに向かって言っちゃって」
皇輝くんは意地悪く、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
ーードキッ。
ただでさえ話すのに緊張するのに、なんなの、その笑みは!!
イケメン、怖い!
「え、えーっとですね……」
「ちゃんと俺に言ってごらん?大輝にも伝えておくよ?」
ソファまできた皇輝くん。
私の隣に座ると、かなり近い距離で耳元でそう囁いた。