双子の義理兄はアイドル。〜君と秘密の溺愛ストーリー〜
びっくりして変な声が出そうになったけどグッと飲み込み、平常心で返事をする。
……はぁ。
私も帰って宿題しよ。
そっとため息をつき、カバンを掴むとそのまま教室を後にする。
そして、ふとトイレに立ち寄り、誰もいないことを確認してからそっと首元のシャツをめくる。
「……まだある……ど、どうしたら消えるの、これ……」
そこには数日前、皇輝くんにつけられたキスマークがうっすらと残っていた。
数日たてば消えるだろうと思っていたのにまだあるなんて。どれだけ強くつけたんだろ……。
あの時のことを思い出し、1人勝手に顔が熱くなる。ぎゅっと手を握り、鏡を見ていると……。
「でさ、TWINSのライブ、今度一緒に行こうよ!」
「いいね!行こ行こ!」
トイレのドアの方向から声が聞こえて、足音が近づいてくる。
まずい。
早くここからでないと。
見られても何も無いのに、変に気持ちが焦ってしまう。