どんな君でも愛してる
会社で憂さを晴らしていたのかもしれないし、ここに入りたくなかったのに、提携していたから入社させられていたのかもしれない。
何も知らなかっただけだったんだと、その時は彼女が気の毒に思えた。
* * *
一週間後の夜、並木さんから電話がかかってきた。
会社ではほとんど仕事の電話も彼からかかってこなくなった。
少し寂しくて、だけど、私が交際の返事をしていないからだと気づいてどうしようかとここ二日真剣に悩んではいた。
「川村。決めた?」
「あ、えっと……まだ考えて……」