どんな君でも愛してる

 今日は並木さんと初めての休日のデート。

 私にしては気合を入れてお洒落をしてきた。

 行先は海だった。

 太陽の光が波に映り、キラキラしてとてもきれい。初夏の一番いい季節だ。

 まだ転勤してきて間もない彼は、わざわざ実家へ戻って車を借りて来たと言っていた。

 食事をしてから近くのショッピングモールで買い物をした。夕日を見ようと海の近くで降りて、波打ち際まで手を繋いで歩いた。

 滑りそうになって、彼がぎゅっと手を握ってくれた。

「凛花、お前一緒にいると転ぶことが多いな。もしや背が小さいから頭が大きくてアンバランスなんじゃないか、ほら小さい子って頭から転ぶだろ」
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