どんな君でも愛してる

「相変わらず意地悪ですね。本当に失礼な……」

「あ、凛花は少し大人で胸があるから子供じゃないか。胸から転ぶ?」

「もう、信也さんったら……変なことばかり言わないで」

 彼は振り上げた私の腕をつかんで抱き寄せた。そして軽く合わせるだけのキスをした。

「やだ、こんなところで恥ずかしいです」

「何が恥ずかしいんだよ。あっちを見てみろ」

 見ると暗がりの岩陰でイチャイチャ、ラブラブしているカップルが数人見えた。

 ひええ、信じられない。みんな、羞恥心を海に落としてきたのかな。
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