どんな君でも愛してる

 ここへ来た当初はしょっちゅうこいつと食事へ行ったり、冗談を交わしたり、気が合う上司と部下という様子だった。

 それが、ここひと月、急速に距離が開いた。

 理由は明快だ。さっき言った通り、絶対に凛花だ。

 覚悟はしていたつもりだったが、ここまで仕事がやりづらくなるというのは想像外だった。

 相川に頼っていた部分が大きくて、こいつがどれだけ仕事ができるかわかっていなかったということもあるだろう。

 うちのムードメーカーでもある相川を敵に回すと、この課は回らない。今日こそ、逃げ回っているこいつを捕まえて、話をすると決めた。

 時間があったので、いつも行く店ではなく、少し会社から離れた遠い店に行った。
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