どんな君でも愛してる
「信也さん」
「じゃあな。早く入れ。見てるから……」
俺は彼女を軽く抱きしめて解放した。嬉しくて踊りだしそうだった。
彼女が俺を認めた証拠だ。思ったより早かったな。夜空に向かい、ガッツポーズをした。
* * *
週末、突然父に呼び出された。
「信也。お前が戻ったらそちらの会社との取引は少し見直す」
「え?」
「北野化学はもうだめだ。あそこが開発したローションは不純物が入っていると摘発された。信也があそこの娘と結婚しないでよかった。紘一君も驚いていたよ。負債を背負わされるところだった」