どんな君でも愛してる

「彼女は菫化粧品社長と婚約したんだろ」

「ああ、でもこれだとどうなるかな。まあ、あちらは資金が潤沢だから受け入れるかな?」

「うちの社長は父さんの例の新商品を販売化できると聞いてこの間も喜んでいた。それで急な俺の退社も考えてもいいといってくれてる」

「ああ、それは約束通り提供するつもりだよ。ただ、既存商品リニューアルのための変更にはもう応じない予定だ」

 それは、今の会社にとっては相当の打撃だ。売れ筋の商品はうちが開発したものも多く、あちらは他社の動向を見てそれのリニューアルを打ち合わせで希望してくる。

 そして、新しいバージョンをうちで希望に合わせ開発し販売するのだ。それをしないなら、あちらには未来がない。

「父さん、まさかSUNAを見限るのか?それはやめてくれよ」
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