どんな君でも愛してる
「見限る?今までの商品は提供を許すんだから別に構わないだろう。うちが作った看板商品であるハンドクリームはすでに国内シェア2位だ。間違いなく残る商品だよ」
「あれはそうだろう。でもあのブランドでローションタイプや高齢者向けの商品に関連商品を作っていくんじゃなかったの?」
「悪いがあちらとの付き合いはここまでだ。今回提供する新しいハンドクリームローションがそれにあたるから許してもらおう。お前を販売会社に入社させたのは販売ノウハウを学ばせるためだ。いずれうちで自社販売も視野に入れていくためなんだよ」
「父さん!」
「信也、うちはそれができてこそ長く業界で生きていけるようになるだろう。北野を見ろ。反面教師だ。うちはそうならないように変革していく。ノアケミカル販売という自社販売会社を作る。そこの初代社長にお前を据えたい」
「……!」
まさか、そんな……。SUNAはどうなる?父さん何を考えているんだ。