どんな君でも愛してる
驚きと困惑
退職の決まった北野さんが荷物を片付けに来るという。
私は送別会をするかメールで確認したが、本人から断られた。それでも一応、花束と送別品を準備して彼女を待った。
すると何事もなかったかのように彼女は突然現れて、誰にも何も言わず周りを片付け始めた。
「ファイルとか、この辺のもの残していきます」
「わかったわ。お疲れさまでした。これ……花とプレゼントよ。北野さん、ご結婚決まったそうね。おめでとう」
ぱちぱちと皆が拍手し、花とプレゼントを渡す。ありがとうございましたと彼女は無表情に頭を下げた。
ひと言どうぞと言える雰囲気でもなかった。社長夫人になるんだろという木崎君の問いにもふふっと笑うだけだった。
私は送別会をするかメールで確認したが、本人から断られた。それでも一応、花束と送別品を準備して彼女を待った。
すると何事もなかったかのように彼女は突然現れて、誰にも何も言わず周りを片付け始めた。
「ファイルとか、この辺のもの残していきます」
「わかったわ。お疲れさまでした。これ……花とプレゼントよ。北野さん、ご結婚決まったそうね。おめでとう」
ぱちぱちと皆が拍手し、花とプレゼントを渡す。ありがとうございましたと彼女は無表情に頭を下げた。
ひと言どうぞと言える雰囲気でもなかった。社長夫人になるんだろという木崎君の問いにもふふっと笑うだけだった。