どんな君でも愛してる

壁が消えた日

 彼は長い脚でドアを蹴ると、奥の部屋へ入っていく。そこはカーテンのかかった部屋。

 そっとベッドに私を座らせた。そして近くにあるいくつかの間接照明にスイッチをいれた。暗闇にぼんやりした小さな温かい光がいくつか灯った。

 ロケットの模型がおいてある。宇宙のポスターが貼ってある。もしかして宇宙が好きなの?

「信也さん、宇宙が好きなの?」

「うん。暗闇に光る星。静寂。重力の違いや酸素もなくて行く人は大変だろうけど、すごく惹かれるものがある」

「それで静かなところがいいっていったのね。部屋も間接照明が中心であなたの好みなのね」

「ああ、凛花にはすぐになんでもばれるな。君は俺の中にいるもうひとりの俺なのか?君と話していると妙に心地いいんだ」
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