どんな君でも愛してる
驚いた。抱き上げられた膝の上で、彼の顔を見た。
「どういう……」
「前の男のことだけど……。口にするのも嫌だが、その男はたいしたことなかったのさ。凛花はそいつのために身体を見せる気には結局なれなかったし、そいつは凛花を自分に向けるための努力や魅力も足らなかったというわけだ」
自信ありげにこちらを見る。
「勝負は見えてる。ある意味、いますぐ凛花がそういう気持ちになるようにもっていくこともできる。でもそれじゃあフェアじゃない。だからやらない」
「どういう意味なの?」
彼は私の耳元でささやいた。